ヘルミーナ・ティールロバー その2
『チェコ絵本をめぐる旅』@芦屋市立美術館 の展覧会を見に行ってきました。
この展覧会チェコの絵本の展覧会ですが、その中の関連イベントとしてチェコアニメの上映会があったんです。上映されたのは
『フィリックス・ザ・キャットの新たな冒険』1994年
カレル・ドダル監督作
米国のカヤラクターフィリックス・ザ・キャットを使った無声アニメーション
監督はティールロヴァーの最初の夫だということです。
『いたずらウサギ』1044年
ホルスト・フォン・メーレンドルフ
イースターの卵に彩色する仕事をしているうさぎたちが繰り広げるどたばた喜劇。セルアニメーション
ディズニーの影響を強く受けてるという印象を持ちました。
『アリのフェルダ』1944年
ヘルミーナ・ティールロヴァー、ラディスラフ・ザースチェラ監督作
www.youtube.comアニメーションの担当はティールロヴァーとのことです。虫たちが生き生きと歌い踊る姿が彼女によって描かれています。フェルダというのは他にも色々作品がるようで、チェコでは人気キャラクターなのでしょうか。真相不明です。
『おもちゃの反乱』1946年
ヘルミーナ・ティールロヴァー、フランチシェク・サーデク監督作
www.youtube.comナチスの兵隊が玩具職人の工房に踏み込んでくるが、おもちゃたちが撃退する、というお話。
まだ戦争の傷の癒えない時代にここまでの作品を作ったのが驚きです。おもちゃのような魂のないものが動き出すというのは、後の『結んだハンカチ』や『2つの毛糸玉』にもつながっているのかも知れません。
『贈り物』
イジィトルンカ、イジィ・クレイチーク監督作
トルンカ監督の2次元アニメーションでした。お金持ちの夫婦の不倫の話なんですけど、これは子供向けじゃないと思うのでターゲットが不明です。でも面白い。
展覧会ではトルンカの『悪魔の水車小屋』の絵コンテが展示されていました。もの凄く貴重なものではないでしょうか。
他にも現代の絵本作家の作品が展示されていて、ミハエラ・クコヴィチョヴァーの『ジズ・イズ・プラハ』のコラージュっぷりや、アルジュビェタ・スカーロヴァ『アフリカへ帰ろう!』の繊細でありながら鮮烈な水彩画や、エヴァ・ヴォルフォヴァー『コーヒーの泡から生まれた子ネコ』の刺繍やパッチワークで絵を描く手法など面白いものがありました。
どれも日本から離れた外国の異国情緒に溢れていて、それでいてデザインの魅力で引き付ける作品でとても良かったです。