KUBO／二弦の秘密
2017年、米国、トラヴィス・ナイト監督作。
日本のある時代、母親と暮らすKUBOは父親がどんな人だったのかを知りたいと思っていた。しかしある日、母親の言いつけを守らなかったがゆえに母は月の使者に殺されてしまう。KUBOは月の使者と対決する為に母が命を吹き込んだ猿、クワガタの武者と共に自身の三味線を手に伝説の武具を探す旅に出る。
現在の人形アニメーション製作の最高峰である米国のスタジオ・ライカ作品。ライカはヘンリー・セリック監督作の『コララインとボタンの魔女』も製作しています。監督のトラヴィス・ナイトはライカの最高経営責任者です。
本作の凄さは語っても語り尽くせないのではないでしょうか。人形アニメーションの技術もさることながら特殊撮影との融合、日本が舞台という異国の文化を折り紙や浮世絵を引用して見事に描ききった様、その物語が奥行き深く、それらが鮮やかな色彩の中で展開されるという映画的な美がぎゅうぎゅうに詰まっています。
人形アニメーションの進化ということで言えば３Ｄプリンターを使って劇中に登場する人物や物のパーツを造形しているようです。モデラーが手作業で人形を作っていた時代とは隔世の感がありますね。しかしやはり人形を動かし演出するのはやはり人間であって、人形アニメーションらしい動きがそこここにあります。現時点での人形アニメーションの最高到達点だと思います。
製作のアリアンヌ・サトナーは『ジャイアント・ピーチ』、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』、『ファンタスティックMr.FOX』に関わり、美術のネルソン・ロウリーは『ティム・バートンのコープスブライド』、『ファンタスティックMr.FOX』に、撮影のフランク・パッシンガムはアードマンの『チキンラン』、『コララインとボタンの魔女』に、と人形アニメーションの歴史的傑作に携わっている人達が結集しているのがよく分かります。
メイキング映像各種
参照
